Quest PM

米系スタートアップで働くプロダクトマネージャー(PM)の姿をサンフランシスコから

英語で議論でも大丈夫!シリコンバレー在住12年の私が明かす4つのポイント

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このままではネイティブにシャベリ負ける...!

歯がゆいですよね。こういう瞬間。特にガチンコの議論の場では。日本を離れ海外で戦うということは、自分の実力と意思を相手にはっきりぶつけていかないといけない。そんなことは他の媒体でも語りつくされているので、改めてこの場で話すことはしません。逆にいつもそんな記事を読んで思うのは、「じゃーこの人はどんだけネイティブにシャベリ勝ちしたことあんだよ」と聞き返したくなるくらいです。

ここで言っているシャベリ負けとは、自分の言いたいことを言ってるつもりなのに、なかなか伝わらない。絶対自分の論点は合ってるはずなのに、ネイティブスピーカーの滑らかなしゃべりが聞こえがいい。その結果、場の空気が皆そちらになびいてしまい自分の意見が通らない、そんな状態をさします。

ただ多くの場合、「自分の英語力が足りない・・」という一言で片付けてしまいます。自分も最初そうでした。でも、ここで言う「足りない」ってどういうことでしょうか?

英語での議論。戦い方にはコツがある

 

日本の英語教育では誰も英語での議論のコツなんか教えてくれません。逆に言えばコツをつかみ、訓練すれば十分通用します。

例えばシリコンバレーでは、その人口構成の7割近くをインド、中国系が占める。純粋なアメリカ人というのはむしろ少数派。言い換えれば、この地はノンネイティブが大半を占めます。彼らの英語だって全く完璧ではなく、独特の発音のクセがあったり聞きづらい時はしょっちゅうある。

なので、「自分の英語力が・・」なんて考えるのはまずやめましょう。無論、うまいことに越したことはないですが、それを理由に尻込みするのは自分で自分の可能性を閉じてるようなものです。

かくいう自分も留学経験もなかったため、英語での議論で言い負かされないようにすることには相当苦労しました。今でこそ互角以上に戦えるようになったので振り返ると、そこには以下4つのブレイクスルーが必要でした。

1. 発音矯正 (または"Accent neutralization"と呼ばれるもの)

自分がUS本社へ転籍した時、当時の上司(アメリカ人)から「まず”Accent neutralization"の訓練をしなさい」と言われました。その会社はインド人従業員が多く、やはり発音にかなりクセがある人が多かったので、会社として直したい人にクラスを受けさせてくれていたのです。これは本当に役に立ちました。ノンネイティブの人が今の自分の発音を聞くと、ネイティブの発音のように聞こえると言われるので、効果てきめんです。

今は"発音矯正"や、"Accent neutralization for Japanese"といったキーワードでググればYouTube等で学習できます。もちろんしっかり体系的に学びたいのであればクラスを受講することをおすすめします。

 

2. 勝負を挑むところと、流すところの見極め

英語で議論といっても、全てに勝つ必要はありません。建設的に進めないといけない場合もあります。勝てないまでも負けなければよいという時だってあります。まずは自分が「この部分は絶対誰が何をいっても自分のほうが良くわかってる」という分野を準備しておいてください。そして、その部分で聞かれたら相手に臆せずどんどん言えるようにしましょう。でないと、相手からは「こいつは議論相手にならない」と思われます。

3. 瞬発力

武道や芸術の世界では「型」とか「技」という考え方があります。例えば柔道の背負い投げ、剣道なら小手面みたいな。実は英語で議論する際にもこのアプローチは有効です。そもそも英語で議論となった場合、使われる表現に、実は一定のパターンがあります。議論の冒頭、議論の最中、そして話をまとめる時、合いの手、それぞれの場面で使われる表現は決して難しいものではなく、ポイントはタイミングよく使えるかどうかだけです。

要はそうした技をどれだけそろえられるか、型をどれだけ使いこなせるか、いつでも使える状態にしておくか。英語の議論は日本人にとって「瞬発力」勝負といっても過言ではありません。今英語を使って仕事をしていて、今ひとつ伸び悩んでいると感じている方がいたら、英語の瞬発力を鍛えてみることをお勧めします。


具体的な「型」に興味ある場合はNoteを書きましたので、読んでみてください。

note.mu

4. カッコつけない

日本の英語教育(特に受験)ではとにかくたくさんの単語を覚えますよね。でもUSで働いてみて、それらの単語が全て使われたことはありません。確かに何かを読む場面では有効なのは事実です。ですが、こと「議論」の場面において難しい単語はむしろ邪魔。

せっかく覚えたんだし・・とそんな小難しい単語をカッコつけて使おうものなら、逆に相手にわかってもらえません。というのも受験英語式で覚えてるので、相手には不自然な使い方に聞こえる、他国のノンネイティブなんかそもそもそんな単語知らなかったりします。ましてそれが電話会議上ともなると、"What did you say?" とか "I'm not following you."とさかんに返り討ちに会うこと必至。

とにかく聞きづらい。逆に言えば、動詞は中3くらいまで習うようなものを中心に、英熟語("get over"とか"looking forward to doing"みたいなもの)は使っても、慣用表現は避けます("Cats and dogs"のようなもの)。そして長い文章をしゃべろうとしないでください。

日本で生まれ育ったのであればNativeに「近づく」ことはできても「なろう」としてはいけない。なる必要もありません。そんなカッコつけるようなことをしても、大事な局面で化けの皮が剥がれるだけです。相手の言うことを理解し、こちらの言ってることを理解してもらうことに集中。極力難しい表現をそぎ落とし、シンプルに語ること。

 

この4点が「型」にハマってくると、英語力の切れ味、表現の鋭さは確実に増します。ぜひ意識して行ってみてください。