Quest PM

米系スタートアップで働くプロダクトマネージャー(PM)の姿をサンフランシスコから

それ何の話だっけ?と言われた人に効く、会話の効率を上げる4つの視点

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身近で起こっている働き方改革の足かせ: コミュニケーション

ここ数年ビジネスの世界では、ChatworkやSlack, Skypeなどチャットを使ったコミュニケーションが当たり前になってきました。手軽に会話できるのは良いのですが、同時にチャットだけだと話がこじれてしまう場合もあります。

ことプロダクトマネージャーのような役割だと関わる人が増える一方、自分のコミュニケーションスタイルがそのまま相手にも同じように通用するとは限りません。あるときはほとんど関わったことのない別チームのエンジニアだったり、法務部門や財務部門の非技術系、常に時間のないエグゼクティブなど様々です。

こういう時サクっとチャットで「これお願いします」といったところで、聞いてくれることは殆どいないでしょう。返事がなければ2,3日後にまたフォローアップすればいいんじゃ?と考える人もいると思いますが、実はこの時点であなた自身とメッセージの受け手の生産性を2−3日分失ったことと同じ。「それ何の話しだっけ?」と言われておしまいです。そんなことが毎日どこかで、仮に全社員の50%以上で起こっているとしたら・・・これでは働き方改革どころではありません。

会話の効率を上げる4つの視点

プロジェクトがグローバル化してくると、ここに時差や文化の違いが絡んできてさらにコミュニケーションがうまくいかなくなる場面がでてきます。こうした問題にどう立ち向かうか?

会話の効率を上げる抑えるべき4つの視点とは、

Time
Place
Control
Information processing

です。

この4つの軸には目盛りがあります。

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Time軸は相手のチャンネルが最もオープンな時を選ぶ

Time軸で考える際に必要なのは、相手が最も話しを聞いてくれる時間帯はどこかということです。その人は朝方でオフィスに来るのか、遅出で10:30過ぎないとこないのか、夜は社内に残る方かそうでないか、などです。相手が受け取りやすい時間帯でないと、後回しにされます。


Place軸は残したいメッセージのインパクトに応じて決める

どうしても相手に理解しておいてもらいたい、ならばメールを送って済ますのはやめましょう。ちゃんと電話やビデオ会議を予定すべきです。(対面が可能な場合はそれもありです)チャットはしょっちゅうやりとりしている人たちであれば最速で効率は抜群ですが、こちらはとても重要だと思っているのに、相手が同じレベルで感じてくれない、インパクトが残らない可能性があります。またあまり顔見知りでない人、込み入った話しの場合は一度はPlace軸のレベルをあげましょう。(メール・チャットより電話会議、ビデオ会議より対面といった形)

 

Control軸は「仕切りたい」度合いの差

何かをお願いする時に、「それ自分に預けてもらえますか?」というケースと、「一緒にやりましょう」、もしくは「そちらでやってしまってOKです」といった「仕切り」の度合いが異なる場合がある。仕事の性質上だけではなく、その人のキャラ的にその仕切り度合いが変わってくることもあるのだ。抱えたい人、サボりがちなのでこっちでやったほうが(コントロールした方が)良い人など様々です。このあたりの見極めを間違えると、余計に時間がかかってしまうことになります。


Information Processing軸は相手の情報処理能力の速さ

コミュニケーションする相手がどれだけ情報処理能力がある人なのかも重要な要素。例えば相手がプリントアウトしてじっくり読んでからでないと反応できない人なのか、ランチオンミーティングで諸々説明したらすぐに分かってくれるような人なのか、もしくはチャットで少し話せばすぐに答えてくれるのか、情報処理能力の速さは、単に頭の回転という意味だけではなく、相手と共有している文脈の多寡も影響してきます。

 

ゴールはCommunication Costを最小化し、インパクトを最大化すること

 ごく当たり前に行っているビジネス活動も、コストの上に成り立っています。全てのコストが悪いということはありませんが、プロフェショナルとして働くのなら少なくとも無駄なコストを最小化する行動はあって然るべきです。

コミュニケーションは当たり前のように行われるがゆえに、簡単に見落としがちなもの。実は無駄が簡単に発生しやすいのです。そのおかげでお互いの生産性が下がるということはコミュニケーションコストが高いということ。

しかし上記4点の視点を意識すれば、明日からでもコミニケーションコストがどんどん下がり、仕事が効率よく周る(仕事のインパクトが上がる)ようになるはずです。ぜひやってみてください!