2017年にアメリカで最も売れたビジネス書、"Life and Work Principles" には良質な問いかけが満載
Bill Gatesも一目置く、Ray Dalio
I always learn a lot from my friend @RayDalio. His new book #Principles is a remarkable look at his life and career: https://t.co/2A4EREQLYU
— Bill Gates (@BillGates) September 29, 2017
Bridgewater Associatesという名前はヘッジファンド業界以外の人にはあまりピンとこないかもしれない。この会社はRay Dalio氏が立ち上げた、世界一のヘッジファンドだ。2位のAQR Capital, 3位のJPMorgan Asset Managementを足しても追いつかないくらい巨大な存在だ。ファンドの規模は12兆円。その彼の著作である"Life and Work Principles"には、投資哲学を始め、彼の生活・仕事・組織において最大限のアウトプットを出すための原理原則がまとめられている。彼がどのように考え、どのようにBridgewater Associatesを育ててきたかが浮き彫りにされているのだ。
そして、この本が2017年アマゾンUSで最も売れたビジネス書となった。何がそんなに読者を惹きつけるのか、読んでみるとそこにはシンプルかつストレートな言葉でありながら、きっとこの言葉の裏にはたくさんの悔しさや失敗があったんだろうと思わせるものばかり。いくつかいいなと思った言葉をあげておくので、興味のある方はぜひ読んでみてください。平易な英語で書かれているので読みやすいです。
Dreams + Reality + Determination = A Successful Life
ただ夢や希望を持つだけではだめ。冷徹なまでの現状認識とそれをベースにした決断の繰り返しがあって初めて成功に近づく。
Be radically open-minded and radically transparent
Radically(徹底的に)というところがミソ。この姿勢が新しいことに対する学びの柔軟性や、効率よく組織や人が変化していくための土台となる。
Don't let fears of what others think of you stand in your way.
周りから見て自分はどう思われているか、という恐れで自分の進む道を塞いではいけない。
Pain + Reflection = Progress
自分にとって痛い事実(Painful realities)に対してきちんと向き合い内省すること。逃げていては進歩はできない。
Don't believe everything you hear.
常に「事実」と「意見」を混同しない。
Find the most believable people possible who disagree with you and try to understand their reasoning.
自分にとって信じるに値する人を見つけ、その人がなぜ反対するかについて理解する。そうすることで、自分が気づけなかったことに気づくし、よりよい意思決定ができる。
本を読み進めると、ここで言う「信じるに値する人」には、2つの要素を満たす必要があることがわかる。
- Repeatedly and successfully accomplished the thing in question.
- Demonstrated that they can logically explain the cause-effect relationships behind their conclusions.
「この人はフォロワーが多いから」とか、日本企業の中でたまに見かける、「声の大きい人」、たまたまうまくいった人などなど、こうした人々が述べる意見を正面から受け止めてはいけない。
これらは本書で取り上げられたほんの一部。550ページに渡り、仕事と人生をよりうまく回していくための研ぎ澄まされた原理原則がならんでいます。一度読んで時々読み返すともっとよく理解できる、新しいことに気づく、そんな本です。